
ストーリー概要
ジャンル | 近未来、SF、クライムサスペンス、アクション |
制作 | Production I.G |
監督 | 本広克行、塩谷直義 |
脚本 | 虚淵玄、深見真、高羽彩、熊谷純 |
話数 | 第1期:全22話、第2期:全11話、劇場版:4本 |
システムによって徹底的に管理された社会
物語の舞台となるのは西暦2112年の日本。
そこは『シビュラ』と呼ばれるシステムによって人間のあらゆる心理状態や性格的傾向が計測され、その数値(PSYCHO-PASS(サイコパス)に応じた人生が提供されるという徹底的に管理された社会でした。
サイコパスの数値が優れる者だけがエリートの道へ進み、それ以外は平凡な道しか歩めないという単純明快な世界。
将来的に犯罪を起こ得る可能性も数値として計測可能で、一定の基準を超えた者は「潜在犯」として更生施設へと送られるか、システムの代行者である「公安局」によって裁かれるしかありません。
理不尽にも思えますが、そこに住む人々はそれを当たり前のものとして受け入れ、少しでもサイコパスをクリアに保つために日々努力を続けます。
執行官と監視官
本作は、公安局刑事課1係のメンバーが次々と巻き起こる凶悪事件の捜査にあたっていくという近未来SFクライムサスペンス。
1係を構成するのは「執行官」と「監視官」によるチームです。
執行官は全て高い犯罪計数を持つ潜在犯であり、同じ“匂い”を持った犯罪者の追跡に長ける事から実力を行使していきます。
一方、監視官はサイコパスをクリアに保ったエリートであり、冷静な判断力により一癖も二癖もある執行官たちを文字通り監視するのが主な仕事。
エリートとはぐれ者、この奇妙な組み合わせこそがこの作品の特徴とも言える部分であり、対照的な両者がいかに上手く連携をはかっていくかが事件解決のカギを握ります。
近未来的な兵器の数々
100年後の未来が舞台という事もあり、本作で使用される兵器はどれも近未来的です。
対象の犯罪計数を計測し数値に応じた裁きを下す拳銃『ドミネーター』をはじめ、AIによって自動的に活動する『ドローン』など、便利なツールが数多く登場。
中でもドミネーターは『PSYCHO-PASS サイコパス』という作品を強烈に印象付けている兵器であり、対象の犯罪計数が高ければ高いほど殺傷能力を増すため、特に凶悪な犯罪者に対しては容赦の無い裁きが下される事になります。
作品の見どころ
練りに練られた世界観
『PSYCHO-PASS サイコパス』における一番の見どころは何と言っても練りに練られた世界観でしょう。
100年後の未来をイメージした日本が舞台という事もあり、今の常識では考えられないような技術が随所に見られますが、中には将来的に実現しそうなものもあり非常にワクワク感を覚えます。
たとえば、作中で頻繁に登場する「ドローン(無人ロボット)」などは現実世界でもすでに続々と実用化が始まっており、今後は日常生活の中で目にする機会も増えるかもしれません。
また、「システムによって徹底的に管理された社会」という設定も非常に考察のしがいがあります。
確かに、人間の潜在的な部分を全て数値化できるようになった事で得られたものは大きいでしょう。システムのおかげで各々にとって適正な人生が見つけやすくなり、社会全体としては効率良く回るようになりました。
しかし、一方でシステムによって見放された人間にとっては地獄のような日々が待っていたりするわけですね。
実際、何を根拠にしているのかも良くわからない「犯罪計数」の数値により、悪人ではないにもかかわらず無条件で更生施設という名の檻に閉じ込められてしまう人も作中にはたくさん存在します。
ユートピアとディストピア、そのどちらにもなり得る社会において人々はどんな選択を取るのか。アツい人間ドラマに注目です。
敵・味方を問わず魅力的な登場人物
『PSYCHO-PASS サイコパス』には、短い文章では表現しきれないほどの魅力的なキャラクターが敵・味方を問わずたくさん登場します。
魅力的な悪役というのは、名作を作り上げる上で決して欠かせない要素の一つでしょう。
特にアニメ版1期に登場する槙島聖護はその最たる例ですね。銀髪、イケメン&イケボ、頭脳明晰、おまけにケンカも強いなどとにかくカリスマ性に満ち溢れている。
犯罪を起こす動機も単なる快楽によるものではなく、そこには彼なりの正義がしっかりと存在するなど、非常に味のあるキャラです。
やっている事は決して許されるわけではないけれど、何故か憎むに憎めない。そんな魅力が彼にはありました。
他の犯罪者も同様に皆何かしらの強い意志を持って動いているため、単純に「悪いヤツ」と決めつけるのではなく、その行動原理について考察しながら見てみるとより楽しめるかもしれません。
キャストがとにかく豪華
主要人物の声優一覧 |
関智一、花澤香菜、野島健児、有本欽隆、石田彰、伊藤静、沢城みゆき、櫻井孝宏、榊原良子、佐倉綾音、藤原啓治、東地宏樹、山路和弘、木村良平、etc. |
全体的にかなり硬派なシナリオの『PSYCHO-PASS サイコパス』ですが、それを演じるキャストが皆実力派という事もあって安心感は抜群。絶対に一度は耳にした事があるであろう声が物語を彩ってくれます。
どのキャラも文句無しにハマっており、その魅力が最大限にハッキリされていて素敵でした。
主要人物はもちろん、一瞬しか出てこないような脇役にまで有名声優さんが使われていたりするので、劇中に「あれ?」っと気付き、最後のエンドロールで答え合わせというちょっとした遊びも。
個人的に好きなキャラクター紹介
狡噛慎也(CV:関智一)
『PSYCHO-PASS サイコパス』という作品において絶対に欠かせないのがこの人でしょう。1期では主人公を務めます。
頭脳明晰かつ刑事の勘も兼ね備えた1係のエース的存在で、おまけに格闘術にも優れるという非の打ち所が無い人物。
作中における戦闘シーンの大部分が彼の活躍によって占められており、戦況に応じて臨機応変に戦うその姿はめちゃくちゃカッコ良いです。
1期ではその抜群の推理力によってこれまで誰も尻尾を掴む事ができなかった槙島聖護を徐々に追い詰めていきます。
残念ながら物語の終盤はとある理由から1係を抜ける事になり、2期以降は主役が交代となるため徐々に登場頻度も下がっていきますが、抜群の存在感で作品を盛り上げ続けてくれるキャラですね。
なお、人格者であり正義感にあふれた彼がなぜ潜在犯として生きているのかについては見てのお楽しみ。そこには非常に悲しい過去があったりします。
常守朱(CV:花澤香菜)
1期ではヒロイン、2期では主人公を務める常守朱ちゃん。
まさに「ポテンシャルの塊」とも呼べる人物で、物語が進むにつれてまるで別人かのような成長を遂げます。
最初は銃を向ける事にためらいを持っていた彼女も、最終的には迷わず向ける事ができるようになりました。その凛々しさから「様」を付けて呼ぶファンも多いのだとか。
2期に入ってからは狡噛さんと同等、もしくはそれ以上の推理力・行動力を備え、彼が抜けた後の1係を牽引していきます。
「さすがにちょっとやりすぎでは?」と思ってしまうほどの活躍ぶりを見せてくれるので、可愛らしい女の子がどんどん成長していく様子に注目してください。
宜野座伸元(CV:野島健児)
1期、2期、劇場版とシリーズを通して活躍し続ける1係のメンバー。1期ではエリート監視官として朱ちゃんの上司を務め、2期以降はとある理由から潜在犯となり、執行官として生きる道を選択します。
ちなみに、朱ちゃんと同じく、物語の序盤と終盤で大きく印象の変わるキャラでもあります。
最初は「いかにも」といった感じの頭の固い上司的なポジションでしたが、朱ちゃんの姿を見て徐々に変わっていき、執行官落ちしてからは彼女の良き理解者として支え続けました。
また、シリーズを経るごとに見た目が大きく変わっていくのも特徴で、1期では「いつも嫌味ばかり言っている眼鏡もやし」といった印象が強かったのですが、2期以降はどんどん美形になり武闘派な描写も多くなっていきます。
特に劇場版での活躍ぶりがすさまじく、一部ファンの間では「ギノザパス」という単語も生まれているほど。
まとめ
以上、『PSYCHO-PASS サイコパス』のあらすじや魅力について重大なネタバレは伏せつつもざっくりと語らせていただきました。
とにかく奥が深い作品であり、正直な話、ここで語りきるのは難しいです。難解な設定も多いため、上手く言語化できていない部分も実は多かったりします。
一つだけ確実に言えるのは、絶対に見て損はしないという事。2019年には3期の制作も決定しているので、気になる方は今のうちにチェックしてみてください。
つたない文章になってしまいましたが、少しでも興味を持っていただければ幸いです。