
フェアリーゴーン10話 あらすじ&ネタバレ
各シーンの振り返り
今週はまさかのOP演出無し。前回の襲撃事件により仲間の1人(オズ・メア)を失ったドロテアメンバーによる非常にシリアスで重苦しいシーンから始まりました。
ネイン局長からは「ドロテア始まって以来の大失態」と叱責を受ける一方、「だが、我々は進まねばならない。泥に、血にまみれても、立ち止まる事はできない。流れる血が我々のものであるならむしろ幸いだ。我々は任務を遂行する!」という力強い言葉が。
あの時、この人さえ現場に居れば少しは状況も変わったんでしょうけどね…。今回の襲撃はネイン局長が本部から動けない事を見越しての作戦だったみたいなのでそれも叶いませんでしたが。
ネイン局長の戦闘シーンはまだ未公開という事もあり、本作においてかなり気になる部分の一つ。この人も妖精武器の一振りを所有しているとの事なので、作中トップクラスの強さである事は間違い無さそうです。
オズの遺体は妖精省に回収される事になりました。
ついつい忘れがちですが、彼らは妖精器官を体内に持つ人間であり、存在そのものが違法なのです。あくまでドロテアだから認められているわけで…。
通常であれば家族の元へと返り、安らかな眠りについて欲しいところですが、残念ながら彼らの場合はそうではないという悲しい現実を見ました。
場面は移り変わり、妖精省の次官マルコ・ベルウッドが久々に登場。
6~7話あたりでマーリヤとクラーラが回収した黒の妖精書「黒の四」を解読しながら「やはり鍵は妖精憑きの妖精器官と融合体の妖精器官、その結合なのか…。この録があれば…。」といった発言が出ます。
このセリフが具体的に何を意味するのかはイマイチわかりませんが、とりあえず「妖精憑き」というのはマーリヤのように移植手術をせずに直接妖精が取り憑く現象の事。
「融合体」というのは何なんでしょうね。文章的には妖精憑きとの対比がされている感じもするので、普通にフリーやクラーラみたいな移植手術によって妖精の力を得た人たちの事でしょうか。
それらの結合が一体何の鍵になっているのかは今のところ不明であるものの、僕は個人的にこのマルコという男も怪しいと考えているので、おそらくロクでもない事になりそうな予感がします(笑)
そもそもの大前提として、この作品に出てくる上層部や年寄り連中はもれなく怪しい…。皆それぞれ何かしらの思惑を持って動いている気がするのです。
二言目には「統一のため、統一のため」とは言うものの、実際に腹の底では別の事を考えているような。とにかく野心家的な表情を見せるキャラが多いと感じます。
多分、ガチで間抜けなのは首相と皇帝の2人だけでしょう(笑)
この2人に関しては冗談抜きに雑魚キャラ臭しか漂ってこないので、そのうち駆逐されそうな気がしてなりません。
ちなみに、マルコに関しては(CV:大塚芳忠さん)なので、これまたラスボスとなるポテンシャルは十分に持っています。何でもかんでもキャストで判断するのはいかがと思いますが、大塚芳忠さんの悪役は非常に味があって個人的には大好きなんですよね。
なのでそれも一つの可能性として…。
あと、ここでまた気になる単語が出てきました。
マルコ「かつてミッドエンドで栄えた王国“トゥパール”。これ(黒の妖精書)はその英知の結晶なのだから…」
この“トゥパール”という単語ですが、実は7話のラストシーンでその名前が一度登場しています。
~スウィーティの回想シーンにて~
運転手の男「ここがミッドエンドだよ、スウィーティ。遠くに遺跡が見えるだろう?はるか昔、そこにトゥパールという国があった。世界の中心だったんだ…。」
スウィーティ「それなのにどうしてこんな…」
世界の中心とも呼ばれるほどに栄えた国がどうして衰退してしまったのか?
その理由について詳しくはわかりませんが、マルコの発言から黒の妖精書が関係している事は間違い無さそうです。
僕の勝手な妄想としては、ダークファンタジー漫画『鋼の錬金術師』に登場するクセルクセス王国と重なりました。
その漫画の世界ではかつてクセルクセス王国という大国が存在したのですが、ある人物が行った錬金術によって人々は「賢者の石」と呼ばれる万能の道具へと変えられ、国は一夜にして滅んでしまうのです。
だから、もしかするとトゥパールも黒の妖精書を作り出すための代償として滅んでしまったのではないかなと。フェアリーゴーンもどちらかと言えばダークファンタジー寄りの作品だと思うので、そういった可能性も十分にあり得るでしょう。
もし国が滅んだ理由が黒の妖精書にあるのであれば、スウィーティが異様なまでに黒の妖精書に執着している点も納得がいきます。
あくまで妄想の域を出ないのでほどほどにしておきますが、色々と考察のしがいが出てきて嬉しい限りです。
欲しかった妖精武器フラタニルが手に入りご満悦な様子のシュヴァルツ。
ここで一つ疑問に思ったのですが、なぜシュヴァルツはわざわざビーヴィー達にフラタニルを奪わせるように依頼したのでしょうか?
もともとフラタニルはシュヴァルツへ与えられる予定でした。あえてそんな事をしなくても、大人しくしていれば普通に手に入れられるはずなのに…。
「現在、シュヴァルツのところにフラタニルは無い」という情報を作るためでしょうか?その力を隠しておけば、いざという時に奇襲なども狙えそうですしね。まぁこの辺の意図については正直良くわからなかったです。
あれだけの惨事を起こしたからにはそれなりの理由があってもらわないと納得ができませんけどね(笑)オズ・メアの死を無駄にしないためにも。
ちなみに夜は試し切りのような事もしていました。結構な歳にも見えますが、良く動けるなと…。
先日の傷も癒えぬまま、マーリヤたちドロテアメンバー数人はカルオー公レイ・ドーンの所有する妖精武器および人工妖精の査察をするため、水の都ツバルへと向かいます。
ちなみに、このツバルはマーリヤにとって第二の故郷とも呼べる場所のようで、16歳までの数年間をここで過ごした過去があるみたいです。
カルオー公邸にてレイ・ドーンに謁見するドロテアメンバー。マーリヤにとっては故郷を焼き払った張本人でもありますから、その視線はやや厳しめ。
これがレイ・ドーンの所有するソロリアスという妖精武器。矛のような形状の武器みたいです。短剣タイプのフラタニルよりはよっぽど強そう(笑)
ここでもマーリヤはレイ・ドーンに対して強い視線を送っていたわけですが、さすがのレイ・ドーンもそれに気づきます。
レイ「君は私に何か含むところがありそうだ。」
マーリヤ「なぜ、そう思うんですか?」
レイ「私はそのような目で見られる事に慣れている。私を裏切り者と呼ぶ者も少なからずいるからな。」
特にそれ以上会話が進む事は無かったのですが、僕はこの会話から「レイ・ドーン=実は悪い奴じゃない」という説がますます自分の中で強まりました。
僕はこれまでにいくつかの記事で「レイ・ドーンは悪者ではないかもしれない」と考察してきたものの、実際にレイ・ドーンの会話をほとんど聞いた事が無かったため、彼がどういった人物なのかは正直よくわからなかったわけです。
ただ、今回ようやくマーリヤとレイ・ドーンが直接話すシーンを見て、「本当に悪い奴だったらここまで良く他人の事を見ていない」と思うに至りました。
典型的な悪者というのは、基本的に自分の事ばかり考えています。いわゆる暴君的な感じで、他人の事なんて知らん顔の場合が多いです。
もちろん、自分の企みを成就させるために他人と交わる事はあるでしょうが、それはあくまで狡猾さの一環であり、今回のレイ・ドーンのように相手の心の機微を感じ取るような真似はできない、もしくは描写されないでしょう。
レイ・ドーンの発言を聞いてみても、そこには誇り高さや気高さのようなものがあり、悪者にありがちな小物っぽさが無いんですね。
そこは非常にわかりやすいシュヴァルツとはまた対照的な感じで(笑)
これまでの描写ではマーリヤやヴェロニカといった主人公サイドからの見方しかできないため、どうしても「故郷を焼き払った悪人」といったイメージが浮かんでしまいがちですが、そもそも2人がその光景を目にしたのも幼い頃でした。
つまり、大局観なんてまるでわかっていない状態の子供から見た人物像なわけです。実際には何かしらの事情があったのかもしれませんし、やはりそこは広い視野で考えるべきかなと。そもそも戦争に良いも悪いも無いのかもしれませんが。
「一個人に対しては復讐心を芽生えさせた行動も、全体として見れば世の中のためになる行いだった」というのは復讐劇の末路としてはありがちな展開ですし、実際そうであって欲しいと思いたいくらいこのレイ・ドーンという男には何かの魅力を個人的に感じています。
これまたただの妄想なのでこの辺にて…。
第二の故郷という事もあり、「会いたい人物がいる」と切り出すマーリヤ。フリーは「査察日程の予備日を使ってならOK」と答えます。
マーリヤが向かった先はグイ・カーリンやアーケイムと並ぶ三大マフィアの一つ「ビャクレー」の大親分であるジングルの元でした。
どうやらマーリヤは幼い頃に用心棒としてジングルに仕えていた時期があるようです。
ちなみに、ビャクレーは三大マフィアの一つではあるものの、違法行為などは一切行っていないみたいで、これまで登場した組織の中では一番まともと思われます。
ジングルから「(ドロテアを辞めて)ここへ戻って来ないか?」と提案されます。ジングルにとってマーリヤは年齢的にも娘や孫のような感じなんでしょうね。
マーリヤはマーリヤで先日の一件以降、これ以上ドロテアに身を置いていて良いものなのか悩んでいたいたので何とも言えなそうな表情をしています。
すると、そこへフリーたちがやってきました。
フリーは「マーリヤをドロテアへ引き入れたのは自分です。だから責任は俺にあります。」とジングルに語り掛けるも、「お前さんの肝は座りが悪そうだ。自分の大切な家族を腰抜けに任せるわけにはいかない」と一蹴されてしまいます。
ただ、それでもフリーは引き下がらない。
フリー「俺は腰抜けかもしれないが、いざって時、こいつのために体を張るくらいの事はできる。俺たちは家族じゃない、でも、背中を預け合う仲間だ。理屈抜きでも、仲間のためなら命をかける。」
マーリヤ「私はもう、私のせいで誰かが死ぬのはもう嫌なの。」
フリー「俺たちの仕事はどうしたって危険が伴う。ただ、何かが起こったとしても、誰かのせいじゃない。仲間のために、身を投げうつ。そうしちまうのが仲間ってもんだ。」
マーリヤ「私は、できない。きっと肝心な時、私は守られてばっかりで…。」
フリー「マーリヤ、逃げるな!お前は、目的を果たすためにドロテアへ入る事を選んだんだろ?俺たちは大丈夫だ。だから、逃げるな。俺たちのために逃げ出したりしなくて良いんだ」
この辺のくだりは結構良かったですね。特にフリーのセリフがカッコいい。BGMも感動的でした。
ただ、欲を言えば、ここまで仲間がどうのこうの語るのであれば序盤でもう少しドロテアメンバーとの絡みが欲しかったですね…。そうすればもっと素直に感動できた気がします。
どちらかと言うとマーリヤ×フリーの組み合わせが多く、お世辞にもその他の仲間と深い関係になれているような描写は無かったので。(クラーラとは少しありましたけど)
特にセルジュなんかは個人的にドロテアの中でも割と好きなキャラなので、今後はもう少し掘り下げて欲しいなと思います。
フリーの言葉に、一応はジングルたちも納得した様子。
前半とは打って変わり、吹っ切れたような表情のマーリヤ。「ここから再スタート」といった感じの爽やかな雰囲気でEDへと入りました。
フェアリーゴーンはED後にCパートが流れる事が多いのですが、今回もちゃんと用意されていました。
査察任務を終えて本部へと戻ろうとするドロテアメンバーの前にレイ・ドーンが現れ、首相に親書を渡して欲しいと頼まれます。何やら至急伝えたい事がある様子。
内容については詳しく明かされませんでしたが、前回、ウルフランからシュヴァルツの動向に関する情報を聞いていたので、それについてかもしれません。
事実、ラストシーンでは大量の人工妖精を積んだ車のようなものが首都・ロンダキアへ向かっているような描写が…。
まさにこれから戦争が勃発するような感じだったので、おそらくはシュヴァルツとアーケイムあたりがついに動き始めたのではないかと思います。
個人的な感想
だいぶカオスな感じになってきました。正直、序盤あたりは小難しい説明ばかりで退屈な展開と思える事も多かったのですが、ここへ来てようやく面白さが出てきた感じです。
マーリヤもなんやかんやでドロテアを辞めなくて良かった…。主人公がメンタル的にやられてしまった場合、その修復までには時間がかかる事も多いですが、マーリヤの場合は1話分で何とかなったのでホッとしてます。
ガ〇ダム系の主人公とかだとそれこそ数話にかけてダラダラと描写されたりしますからね(笑)
相変わらずその意図が掴めないキャラも多いのですが、とりあえずシュヴァルツは1クール目におけるボス的なポジションになりそう。今の所一番わかりやすい奴ですし。
フェアリーゴーンは分割2クールで、2クール目は10月からとの事なので。残り2~3話でとりあえず話に一区切りつけて欲しいところ。